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道主の挨拶

 投稿者:谷澤義光  投稿日:2021年 6月10日(木)13時06分9秒
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   ここで言う「挨拶」は、全国演武大会等での「スピーチ」ではなく、出会った時の「挨拶」「会釈」のことである。
 最近はコロナ禍の影響で思うようにいかないが、私は本部道場に8年間ほど週1回稽古に通っている。稽古の前後に、本部の廊下などで道主に出会うことがある。当然こちらは「お早うございます」「こんにちは」などと挨拶するが、道主も必ず挨拶を返してくれる。それも、歩みを止めて、かかとを揃えてきちんと挨拶してくれる。道主にとって、私はどこの道場の誰だか分からない存在だが、このように対応してくれる。
 一番驚いたのは、道主が自宅の前の道路を掃いていた時のことだ。私が「お早うございます」と言うと、道主は作業の手を止めて、私の方に向き直って挨拶を返してくれた。道主の自宅は本部道場に隣接しているが、自宅の前の道路清掃を内弟子などにやらせずに、自分でやっていることにも驚いたが、このような時にもきちんとした挨拶を返してくれることに一番驚いた。
 もうひとつ、お亡くなりになった本部道場の有川師範について述べる。この方は、10以上の大学で合気道を教えられていたそうだが、有川師範の「受け」を務めていた人から次のような話を聞いた。
 有川師範も、誰にでもていねいに挨拶を返していたそうだ。ある時、弟子が「先生は、なんで初心者にもあのようにていねいに挨拶するのですか」とたずねた。すると師範は次のように答えた。「それは簡単なことだ。敵を作らないためだ。向こうが挨拶をして、こちらが返さなければ、相手は反感を持つかもしれない。そのようなことを避け、無用な敵を作らないのは、武道家として当然の心がけだろう」と答えたそうである。
 このように、合気道の優れた指導者とは、技が上手いだけでなく、合気道の考え方、思想を日常生活に生かして、実践している人だと私は思う。
 道主や有川師範には遠く及ばないが、私も合気道の思想や武道家の心得などに深く思索をめぐらし、実生活の場で実践すべきことを見出していきたいと思う。
 
 
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