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平成26年1月26日静岡市にて、「認知症を地域で支える」と題して、静岡在宅ケア医療協議会・ケアマネットふじのくに主催、静岡県、静岡市、静岡医師会後援により開催された合同市民講座について取り上げる。この講座では、先ず特別講演として、名古屋大学発育・加齢医学講座教授 葛谷雅文先生により「認知症を正しく知りましょう」と題して、認知症高齢者数の現状と将来推計、認知症の有病率、認知症をきたす疾患をアルツハイマー型認知症を中心に簡潔に解説され、①認知症は希な病気ではないこと。②認知症は知らない間に発症して生活に不自由を来す。③症状に気付いたら早期に相談(かかりつけ医、ケアマネ、専門医など)する。④認知症の症状には適切な対応が肝心。⑤介護保険サービスの積極的な活用を勧める。とまとめられた。次に「認知症ケアの在宅における多職種連携」をテーマにシンポジウムが行われた。シンポジストは、多喜の園ステイハウス中瀬管理者 内山正晴先生、城西神経内科OT 鈴木朱美先生、遠江病院臨床心理士 水谷啓子先生、まごころ訪問看護ステーション静岡所長 森洋子先生、の4名による発言と討論がされた。このうち、シンポジストの臨床心理士 水谷先生の発表では、①他職種連携に必要なことは、連携相手の職種の特徴を知っておくことが重要であること。②認知症の早期発見・早期対応がされた場合には、効果的な治療やリハビリ技法が開発されてきているが、現在はまだ早期対応は不十分である。③スムーズな認知症介護・治療の導入のためには患者の性格傾向を知ることが重要。④家族間力動の問題を把握する。⑤認知症をどう捉えるか、当事者の心理教育が重要。などの発言があった。
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